サンデー山口

刑務所などの矯正施設で、受刑者に対して面接や教育をしながら更生の手助けをする民間ボランティア・篤志面接委員。同委員の原さんは、市内で珠算塾を開きながら、50年以上にわたって山口刑務所で受刑者に週1回、そろばんを指導している。「始めた当時、そろばんは就職には欠かせない能力だった。社会復帰に役立ててもらいたいという思いで、真剣に取り組む受講生のために頑張ってきた。元気なうちは、ずっと続けていくつもり。支えてくれた妻にも感謝したい」と話す。
　趣味は釣り。最近は行けていないが、萩で大物を釣り上げたことも。現在、経営する珠算塾に通う子は小学校低学年が中心。習い事の多様化などから、長く続ける子が減っているためだ。「そろばんに取り組むことで計算力はもちろん、集中力や努力の大切さも学び取って」と願う。

37（昭12）年2月、島根県松江市生まれの75歳。山口市内に珠算塾を開設後の59（昭34）年から、山口刑務所で受刑者にそろばんを教え始める。87（昭62）年、篤志面接委員に委嘱される。