サンデー山口

　同じ市内でありながら、市外局番が異なるために市内通話料金が適用されない―。長きにわたって続いてきたこの課題が、解決に向けて一歩前進し始めた。
　そもそも市内通話と呼ばれるものは、総務省が指定する単位料金区域（メッセージエリア＝ＭＡ）内の通話を指す。市内には現在、このＭＡが四つあり、山口（旧山口市北部、阿東＝０８３）、小郡（旧山口市南部、小郡、秋穂＝０８３）、防府（徳地＝０８３５）、宇部（阿知須＝０８３６）に分けられている。
　このうち、防府と宇部のＭＡは、平成の合併によって新たに加わった。ところが、同じ「０８３」のエリアである山口と小郡はＭＡが異なっているため、市外局番が４～６けたの時代から、この間の通話は市外料金が適用されてきた。ただし、特例として、合併前から旧山口市相互間の通話については、一部地域を除き市内通話料金で利用できた。
　これらのＭＡを統合するには、自治体が住民の意見を集約した上で、総務省とＮＴＴへ要望書を出さなければならない。
　そこで市は、市民からの要望が多かった山口と小郡のＭＡ統合を図るため、１０（平２２）年から住民の合意形成を進めてきた。このほど、その条件が整い、６月上旬に総務省中国総合通信局とＮＴＴ山口支店（熊野町）に要望書と、関係する４商工会議所・商工会および３６７自治会から取りまとめた同意書を提出した。今後、同省などによる調整や住民への周知期間などを経て、１年半から２年ほどで山口と小郡のＭＡ統合が実現するという。
　そうなれば山口と小郡の間は「０８３」をダイヤルしなくてもつながるようになり、電話料金も昼間３分２０円が８・５円と安くなる。一方で、小郡ＭＡの電話加入者は基本料金が住宅用で月１００円、事務用で月５０円の値上げとなる。
　市の市外局番を統一しようとする動きは、１市４町合併後の０７（平１９）年度にもあった。しかし、市外局番が同じ近隣市とのつながりが強い徳地、阿知須両地域が難色を示したため、この時は実現しなかったという経緯がある。だが、阿東町と合併した後に市は再度、ＭＡの統合を住民に提案。生活・経済圏を考慮して徳地、阿知須両地域は現行のままとし、山口と小郡の統合を先に進めることで意見集約がなされた。