サンデー山口

見た目は普通のアユだが、食べると口いっぱいに柑橘系のさわやかな香りがする「柑味鮎」を山口大農学部と共同開発。1カ月あまりで約5千匹を販売した。「川魚特有のにおいが苦手という人でも『これなら食べられる』との声がたくさんあってうれしい」
　捨てられるミカンの皮を有効活用する方法はないかと、2年前に開発をスタート。餌のにおいが体に移ることがある養殖魚の弱点を逆手に取り、皮の抽出物を食べさせてみた。配分量を変えるなどの試行錯誤を繰り返し、この春ようやく商品化。京都をはじめ、全国各地からも問い合わせが来ている。アユというと、塩焼きが定番だが、お勧めの食べ方は刺身で骨ごと堪能できる背越し洗い。「新鮮なアユでないとできない食べ方。柑味鮎を目当てに山口を訪れる人が増えれば」と期待を寄せる。

40（昭15）年2月、美祢市生まれ。広島市の電気系専門学校を卒業後、電力会社に勤務。釣り好きが高じて、80（昭55）年に漁協に入会。07（平19）年に組合長に就任。風景の写真撮影や花かごなどの竹細工作りが趣味。