2012年08月02日
4・5・7日 山口七夕ちょうちんまつり

紅の炎で山口市の夏の夜空を染め上げる「山口七夕ちょうちんまつり」が、今年は4日(土)、5日(日)と7日(火)の計3日間、市中心部で開かれる。“静”(紅ちょうちんが作り出す幻想的な灯のトンネル)と“動”(勇壮な山笠、みこし、よさこい)とで彩られるこの催しは、秋田の「竿灯」、青森の「ねぶた」と並ぶ「日本三大火祭り」の一つにも数えられる。今年から開催日が土・日曜になったことや、新たに7日午後7時から9時半にも市中心商店街のアーケードを会場に、昔ながらの厳かな雰囲気を味わえる「静」のまつりが実施されるといった変更点があり、例年以上の盛り上がりと人出が予想される。
商店街に灯のトンネル
長い竹ざおに1本当たり約40個の紅ちょうちんを飾り付け、各日とも午後7時半に一斉点灯―。西門前、道場門前、米屋町、中市、大市、駅通り(7日は除く)、新町(同)の中心商店街に、約2時間半にわたってゆらめく紅のトンネルが誕生する。アーケード内で開催されるこのようなお祭りは、全国的にも非常に珍しい。灯入れは一つひとつ手作業でなされる。商店街の人たちの「伝統行事を守り、伝えていこう」との強い気持ちに支えられている証しだ。
最近では毎年恒例・市内最大規模の夏祭り…というくらいの認識しかない人も多いが、その歴史は古く、室町時代に大内氏の第26代盛見が父・大内弘世の冥福を祈るために笹竹の上に高灯籠を灯し、それが各家庭の盆行事として広まったのが始まりとされる。約600年もの間受け継がれてきた伝統行事だ。
「もっとちょうちんプロジェクト」
「もっとちょうちんプロジェクト」の名称で「市全域でちょうちんに灯りをともそう」と活動している山口商工会議所青年部(TEL083-925-2300)。今年も、市中心部に「もっとお客さんを、もっと灯を」を合言葉に、今年も祭りの盛り上げに一役買う。人の背丈ほどのミニツリー15基を市役所前に4、5の両日設置。その愛らしさから、昨年初めて登場して好評だった大内雛が描かれたちょうちんは100個に増やす。また、毎年恒例となった「山口で日本初のクリスマスミサがあった」との史実にちなむ、約800個のちょうちんを飾った高さ15メートル、幅8メートルの「ちょうちんツリー」は4日限定でお目見え。灯入れは、それぞれ午後6時以降で、誰でも参加できる。
「ちょうちん飾り隊」
ミニツリーは、5日に商工会議所前(20基)、駅通り(30基)、パークロード(50基)、合同庁舎前(20基)にも登場する。1基当たり約20個のちょうちんの飾り付け、灯入れ、設置を行うのは「ちょうちん飾り隊」。事前に申し込んだ参加者が、撤収までの一連の作業を体験する。
巨大な光のオブジェ
5日には、パークロードに「山口」の文字が浮き出す縦14・5メートル、横38メートルもの巨大な「すだれちょうちん」と新山笠が飾られ、“巨大な光のオブジェ”が、夏の夜に浮かび上がる。
浴衣の無料着付け
夏の夜の幻想的な明かりの中では、浴衣がよく映える。4日には市民会館事務所2階の市男女共同参画センター(TEL083-934-2841)で、無料着付けサービスが実施される。午後4時からの受け付け(事前申し込みは不要)。
大殿地域から商店街へ灯のリレー 「つながる大殿七夕ちょうちんの灯」
「瑠璃光寺五重塔からの灯りの流れをつくろう」と、おおどのコミュニティ協議会(TEL083-924-5592)は地域を挙げて「つながる大殿七夕ちょうちんの灯」に取り組んでいる。大内文化の発祥地という地域特性を生かし「大内文化を称え、先祖を敬い、平和を願う」心の灯にしようという「まちづくり」だ。今年は内容が大きく変わり、4日午後6時から瑠璃光寺五重塔、八坂神社、龍福寺横の池泉庭園の3カ所に分かれて儀式が始められる。
まず、八坂神社で「火起こしの儀」により「祈りの灯」を採火。瑠璃光寺五重塔と池泉庭園に、それぞれ運ばれる。五重塔前でも、来賓や地域住民ら立ち会いのもとで「弔いの灯」が起こされ、「祈りの灯」と一つにされる。その灯は、山車などに分灯され、池泉庭園方面を目指す。山車の上には、5円玉で作られた五重塔が載せられる。
一方、池泉庭園では、地域の子どもたちを中心に、八坂神社から届いた灯を「願いの灯」として手提げちょうちんにともして出発。堅小路で瑠璃光寺からの行列と合流し、大市商店街へ向かう。同商店街では、竹竿に付けられたちょうちんに灯を分け、商店街のちょうちんへと「灯のリレー」がなされる。
また、同協議会は、LED(発光ダイオード)ろうそくがセットされた家庭向けの「ちょうちんキット」を今年も同地区で429セット新規に配布。“軒先ちょうちん”も着実に浸透しつつある
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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