サンデー山口

　同人誌「風響樹」同人の山本孝夫さん（吉敷）が、同誌で連載を続けた「杏林の坂道」を修正・加筆してまとめ、昨年12月に自費出版した。Ａ4判、233ページ。
　明治から昭和の終戦時まで、寒村の医療に生涯をささげた萩市出身の村医師・緒方惟芳。彼と、彼を取り巻く人たちの生き様を物語に仕立てた。フィクションを交えながら書き始めたのだが、その途中で緒方を知るさまざまな人たちとの縁が生まれ、当時のことをいろいろ見聞きした上で、筆を進めることができたのだという。
　山本さんは「『医は仁』の精神に生きた、こうした日本人もいたということを、時に思い起こすことも必要ではないでしょうか」と話す。非売品だが、希望者には1500円で頒布する。連絡先は、TEL083－932－3870。