サンデー山口

　510年前のおもてなしの味を忠実に再現―。室町時代に大内氏が前将軍をもてなした食事を再現した「平成大内御膳三献」が完成し、山口商工会議所の山口名物料理創出推進会議（大原敏之議長、TEL083－925－2300）がお披露目した。3月2日～4月7日（日）に開催される山口お宝展の期間中、湯田温泉の7施設で提供される。
　大内御膳とは、1500（明応9）年、将軍の座を追われた足利義稙を、山口の守護大名・大内義興がもてなした料理（明応九年三月五日将軍御成献立）のこと。残されている当時の文献には、中世のものとしては最多となる32の膳、110品以上の料理が記されている。
　記録を基に再現された料理には、当時存在しなかった砂糖、しょうゆ、みりんは使われておらず、食材のうまみを生かしたシンプルな味つけが特徴。三献は「足利義稙コース」（2100円、8品）と「大内義興コース」（5250円、10品）があり、これまでに再現された初献、二献をベースに、タイの塩焼き、エイのいり物、エビの形をしたくず寄せ、ブリの刺し身、塩もみしたサザエなど新たに登場した料理もある。
　1月28日の防長苑（熊野町）での試食会には、コンベンション協、行政、料飲社交組合などから関係者約30人が参加した。三献を試作した樋口稔さん（防長苑）と和田久也さん（山水園）が献立の特徴を解説。樋口さんは「素材を生かすための仕込みは大変だが、たくさんの人たちに食べてもらいたい」と話した。
　「三献」が提供される施設は次の通り。
　西の雅常盤▽西村屋▽割烹きむら▽翠山荘▽防長苑▽山水園▽山水園「臨水」。