サンデー山口

　市が地元の芸術家を支援・育成するために創設した第5回「やまぐち新進アーティスト大賞」に、創作家・平井槙さん（24、平川）が選ばれた。また、今回特別に設けられた審査委員賞は、イラストレーターの土谷寛子さん（29、同）に決まった。
　平井さんは、粘土で作った人形（高さ約20センチ）を出展。言葉では表現しきれない自身の感情を表したという。一方、土谷さんは、独特の女性像を刺しゅう作品で表現した。審査委員からは「『アニマ（魂）』の表現を探ろうとする制作手法が明快で初々しい」（平井さん）、「造形哲学の基盤に実力の高さがうかがえる」（土谷さん）などと評価された。
　市役所で18日に贈呈式があり、渡辺純忠市長が「市内にたくさんのファンをつくって、市民に親しまれるアーティストになってください」と激励。審査委員長の足立明男ＹＣＡＭ館長は「お二人が山口の文化に新たな扉を開けてくれるはず」と期待を寄せた。
　平井さんは「未熟なところも伸びしろとして見てもらえた。創作に一層精進したい」、土谷さんは「仕事の傍らの創作活動を認めてもらえ、うれしい」と、喜びを話した。
　市内在住または市内に活動拠点を置いているアーティストらが対象の同賞には今回、10人が応募。最終選考には平井さん、土谷さんのほかに伊賀晶子さん（43、宮野）、岩田一男さん（65、仁保）、書家ｍａｍｉ　村上真実さん（53、大内）、誠さん（31、同）の4人が残った。