サンデー山口

　市内では8日の梅雨明け以降、気温が35度を超える猛暑日を25日までに10日記録するなど、連日暑い日が続いている。下関地方気象台によると、8日から24日までの山口市平均気温は28・4度で、平年に比べ2・1度高くなっている。猛暑がわたしたちの暮らしにどのような影響を及ぼしているのか、市内で探った。

農作物

　県内産を中心に、新鮮な野菜や果物を多く扱う西門前商店街の藤井食料品店。7月上旬は県内外産ともに入荷量が少なかったが、同中旬以降は量も増えて「価格は昨夏と比べても、大きな変化はない」と藤井和幸社長。
ただ、生産現場では高温や少雨の影響は出始めている。ＪＡ山口中央指導販売課によると、特に水の管理は重要で「夜間にも水をまくなど、農家の負担も増している。肥料を与えても、水分がなければ意味がない。キャベツなど葉物では肥料欠乏症になる恐れもあるし、日焼けにより腐ったり商品化できなくなったりする作物も増えそう」と懸念する。

熱中症

　県のまとめによると、25日時点で熱中症により救急搬送された市内の患者数は31人で、前年同期に比べ6人増えている。また、県全体でみると269人で、前年同期の2倍近くになっており、こまめな水分・塩分補給といった予防策を十分に取るよう呼び掛けている。

電力需給

　猛暑で冷房需要が高まると、気になるのが電力の需給。東日本大震災以降、家庭や職場での節電の取り組みが進んだこともあり、これまでに深刻な供給不足は起こっていない。中国電力山口支社（中央）によると、直近で猛暑だった10（平22）年度と比較した場合でも、電力需要に対する供給力の余力を示す供給予備率は定着節電も織り込んで約10％と、今夏は余裕があると予測され、梅雨明け以降もその数値が確保されている。だが、古い火力発電所も稼働させて対応しており「日々の点検を確実に実施し、トラブルが起こらないよう万全を期したい。併せて、無理のない範囲内での節電をお願いします」と話している。

今後の見通し

　下関地方気象台によると、向こう1カ月間の気温は平年並みで推移するが、7月末から8月上旬にかけては平年並みか平年より低くなると予想。一方、降水量は平年並みか平年より多い。