サンデー山口

　日本最古のピアノが奏でる音色を、江戸時代から続く屋敷で聴く―。
　11月3日（日・祝）に、国重要文化財指定の熊谷家住宅（熊谷美術館、萩市）で、「シーボルトのピアノ　レクチャー＆コンサート」が開催される。
　演奏されるピアノは、1828（文政11）年に、ドイツ人医師のフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトから長州藩の御用商人、熊谷家に贈られたスクエアピアノ。日本に初めて持ち込まれた国内最古のピアノとされ、普段は同住宅内に展示されている。約60年前に蔵で発見され、製造当時に使われていた弦をイギリスから調達するなどして修復。シーボルトが弾いていた“当時の音”を奏でるピアノだ。
　当日は、フランスで活躍するピアニスト・保都玲子さんが、ピアノソナタ第14番「月光」（ベートーベン）などを演奏。さらに、岩国市出身のピアノ文化研究家・宮本万喜人さんによる解説もあり、シーボルトに扮した特別ゲストも登場する。
　主催の「シーボルトのピアノプロジェクトを推進する会事務局」の江口伊織さんは「文化財の中で開催される貴重なコンサート。席に限りがあるので申し込みはお早めに」と呼び掛けている。
　時間は午後2時、6時からの計2回。チケットは一般3千円、高校生以下1千円。申し込み・問い合わせは同会事務局（TEL0838－22－7547、土・日・火・木曜午前9時～午後4時）へ。