サンデー山口

　認知症治療に力を入れる仁保病院で、開院間もないころから看護師として働く。まだ認知症が広く知られていなかった時代。院内外で研修を受けたり、本を読んだりして知識を得た。「認知症の患者さんの中には、自分の症状を伝えるのが難しい方もいる。優しくゆっくり笑顔で話すことを心掛けてきた」
　さらに、患者だけでなく、家族のケアにも力を入れてきた。「困りごとを一緒に考える場を設けるなどして、社会から孤立しないようにも努めてきた」と話す。こうした功績が認められ、このほど「第42回医療功労賞」（読売新聞社主催）の県受賞者に選ばれ、「もっと良い看護を提供したい」と気を引き締める。
　5年ほど前まで、趣味でバレーボールをしていたが、「最近は休みに、愛犬（シーズー）キット君と散歩するのが楽しみです」と笑顔を見せる。

56（昭31）年9月、仁保生まれの57歳。山口高通信制を卒業後の76（昭51）年4月、開院間もない仁保病院で准看護師として働き始める。92（平4）年に正看護師。97（平9）年から14年間、看護部長を務める。現在は外来の担当。