サンデー山口

　本年度の市美術展覧会に初出品。185点の中から写真「みんなちがって」が大賞に選ばれた。
　作品は、ホームセンターに整然と並べられた11本の角材の切り口と、欠けた右上部分に店員の背中を重ねて捉えた1枚。「一つとして同じでない年輪が人の個性や人生に重なり、人生を感じる店員さんの後ろ姿を合わせて切り取ってみた」と撮影時を振り返る。
　好奇心旺盛で、ふと見過ごしそうな、何でもない場面やものに面白さを見つけ、夢中でシャッターを切るという。趣味の一つが読書で、庄野潤三の小説「夕べの雲」をきっかけに、数々の庄野作品を読破。「どこにでもある日常生活を輝かせる描写が大好きで、今の自分に影響しているのかも」と語る。
　何事に対しても本気で取り組み、教諭時代に同僚から「熱い人」と言われたこともあるという。

52（昭27）年、防府市生まれの61歳。昨年まで教諭を務め、最後は公立高の校長。本紙に「山口周辺」連載中の栗林和彦さんに3年前から写真指導を受けている。