サンデー山口

　27年の刑務官生活で、所長職は初めて。「刑務所は多くの国民には身近ではない存在だが、安全・安心を守るとりで。まずは受刑者を逃がさない。その上で、受刑者の改善と更正に力を入れる」と気を引き締める。
　山口刑務所は執行刑期10年未満で、犯罪傾向の進んでいない26歳以上の男と未決拘留者らを収容。全国で8カ所だけの総合職業訓練施設にも指定されており、資格取得や社会復帰後の就労支援に取り組む。「これらは雇用主や地域住民など多くの人たちの支えで成り立っている。より強固な協力関係を築き、受刑者の社会復帰を促したい」と力を込める。
　山口勤務も初めて。着任後に自転車で市街地を巡った。「歴史ある街で、人も優しい。おいしい店などを気軽に教えてくれる」と、ほおを緩める。毎朝、豆からひくコーヒーを飲むのが日課。

63（昭38）年10月、高松市生まれの50歳。駒大法学部卒。87（昭62）年、刑務官に。府中刑務所や東京・大阪・福岡の矯正管区、法務省秘書課広報室などで勤務。前職は、名古屋矯正管区首席管区監査官。