サンデー山口

　「思いも寄らぬ受賞に驚いた。私の作品が、住みたくなる街づくりの一助になれば幸せ」と喜ぶ。受賞記念の個展も計画中。「地域の人に近況を知らせたい」。会場探しに奔走中だ。
　オルガナイザーを務めた92（平4）年の秋穂国際彫刻シンポジウムで設置されたスロベニア人作家の作品が、県道拡張のため移転を余儀なくされている。その「引っ越し先」探しに尽力した。「新たに、秋穂の石を使ったベースと桜の木で、癒やしの空間を作りたい」と意気込む。
　「時間と空間」をテーマとした田辺さんの作品は海外での評価も高く、イギリスや台湾の街角にも設置。10月に開かれるオーストラリア・シドニーでの屋外彫刻展には3年連続で出品する。
　さらに、素材の豊富なブラジルでの個展も頭に描く。「生涯現役。国内外で挑戦を続けたい」

45（昭20）年6月、嘉川生まれ。山口高卒。愛知県立芸術大美術学部彫刻科大学院修了。11（平23）年、県文化功労賞受賞。県立美術館前の噴水モニュメントでも知られる。山口メセナ倶楽部「20周年記念メセナ賞」を6日に受賞した。