サンデー山口

▲潟上中の松陰像

　陶の潟上中の校庭には吉田松陰の胸像が設置されている。県内の小中学校や高校において、松陰のおひざ元である萩市内ではすべての小中学校に、また県内でも一部の学校には座像が置かれているがいずれも屋内にあるもので、“校庭の松陰像”は同校だけという。
　公益財団法人松風会によると校庭に松陰像が見られないのは、太平洋戦争時に戦争肯定の象徴としてその思想が使われた結果、戦後にＧＨＱによる撤去指示があったことが理由とされる。同校の松陰像は終戦から16年が経過した61（昭36）年に、創立15周年を記念して名田島出身の彫刻家・田中馨雲によって建立された。現在のものは、96（平8）年の創立50周年を機に復元されたレプリカで、オリジナルは校長室に収蔵されている。
　同法人の水津英三事務局長は「馨雲の顕彰を進めている名田島自治会連合会の山根義彦さんから聞いて、初めて像の存在を知った。全国的にも大変希少である可能性が高い」と話している。