2015年07月18日
20~27日 「神様が、人々の御旅所に」 560年続く山口祇園祭

▲上:神輿は商店街を抜け御旅所へ 左下:総踊りには1611人が参加 右下:御旅所では浦安の舞も
山口盆地に夏の訪れを告げる“祭りシーズン”がやってきた。トップを飾るのは、大内教弘が1459(長禄3)年に京都から伝えて以来、約560年もの伝統を持つ山口祇園祭。20日(月・祝)の御神幸、24日(金)の御中日祭・市民総踊り、27日(月)の御還幸を中心に、さまざまな神事・催しが繰り広げられる。
あす 神秘的な神輿遷霊祭
最初の神事は、あす19日午後8時から八坂神社において執り行われる「山口祇園祭前夜祭」。ちょうちんの炎だけがほのかにゆらめく暗がりの中、本殿から3基の神輿に神様の分霊を移す「神輿遷霊祭」は、とても神秘的。「神の載った神輿が、人々の迎える御旅所に祇園社から遊行する」との祇園祭の「あり方」が、最も実感できる瞬間だ。
20日 「御神幸」
20日午後6時からは、八坂神社(上竪小路)で「例祭・御神幸本殿祭」が執り行われる。まず最初に扇の舞と鈴の舞との2部で構成される「浦安の舞」奉納。今年は、大殿小5年の藤川由さん、木村彩乃さん、林凛さん、安仲栞さんが、練習を重ねた優雅な舞を披露する。続いて「御神輿発輿祭」、県指定無形民俗文化財「鷺の舞」奉納、「御神幸式」がある。鷺の舞の初舞は、5時に萬福寺(堂の前町1)黒地蔵前で。続いて頭屋前、札の辻で披露され、八坂神社は4回目の舞になる。
6時半には5基の子ども神輿が、札の辻から御旅所(駅通り1)を目指して動き出す。そして7時には、3体の“暴れ”神輿が八坂神社を出発。白いサラシに白い半パン、白足袋姿の「男衆」が担ぎ、中心商店街など約2キロの市中を、御旅所目指して練り歩く。今年の受け持ちは、8角(手名槌命・足名槌命、700キロ、150人)が大殿、6角(素盞嗚尊、650キロ、140人)が白石、4角(稲田姫命、600キロ、130人)が宮野の各地区。それぞれに、市内事業所・個人・団体の有志たちも、担ぎ手として加わる。
神輿の露払いは、15人からなる備立行列と鷺の舞、90(平2)年に復活してから25年目を迎えた祇園囃子を奏でる2基の山車、菊水鉾と真車山が務める。2基による「魔法の屋根」の下でのもちまきは8時半ごろ。クライマックスでもある3基の神輿による“回し競演”は、9時前後になる。9時半には3基とも御旅所に到着し、「御神幸御旅所祭」として再度、鷺の舞と浦安の舞が奉納される。
24日 「市民総踊り」開催
「御中日祭」の24日には、中心商店街を舞台に「市民総踊り」が開催。29団体・1611人が「大内の殿様」の曲に合わせて、踊り歩く。今年は、アーケード内では踊らず、屋外のみのコースとなった。従来の「旧バージョン」は、早間田交差点から「魔法の屋根」までを巡回。一方「青年バージョン」は、「魔法の屋根」から山口地方裁判所前までを巡回する。時間は午後7時半から8時45分まで。そして御旅所では、午後8時から「御中日祭」として浦安の舞が奉納される。
〈市民総踊り出場団体〉CP DEAR▽済生会山口地域ケアセンター▽青藍会▽陸上自衛隊山口駐屯地▽中国電力▽日本赤十字社山口県支部▽山口赤十字病院▽山口県赤十字血液センター▽山口井筒屋▽山口市役所▽山口県庁▽西京銀行▽山口銀行▽萩山口信用金庫▽山口県立大地域共生演習▽レノファ山口DT▽とっぱらっちゃい隊▽山口商工会議所青年部▽おおすみひょっとこ民話連▽中清水子ども会▽西糸米子ども会▽西白石子ども会▽竜王子ども会▽東糸米子ども会▽チーム白石小▽山口民謡ほたる会▽秋穂民謡同好会▽山口カトリック教会▽山口大学
26日 少林寺拳法の演武
26日(日)午後7時からは御旅所で、山口西京道院のメンバーが少林寺拳法の演武を奉納する。
27日 「女神輿」が登場
最終日となる27日は、97(平9)年の初登場以来すっかり定着した「女神輿」が登場。午後7時からの「御還幸御旅所祭」で浦安の舞が奉納され、「御還幸式」が執り行われた後の7時半に出発。法被姿の約100人の女性たちが4角を担ぎ、8角(大殿)、6角(白石)とともに再度市中を練り歩き、八坂神社へと帰還する。神輿3基から本殿に分霊を戻す「御還幸本殿祭」は、9時半を予定。
期間中御旅所では、約100年続く伝統の鷺替え行事(福引き)もある。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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