サンデー山口

　長年にわたる大内塗の振興活動が評価され、先月20日に表彰。「うれしい反面、これからも期待に添えるよう頑張らねば」と意気込む。
　仕事の面白さは、毎回新しい発見があること。「四十数年、仕事で向き合ってきたが、まだまだ分からないことだらけ」と、伝統も守りながら、日々研究を重ねて新しい技法にも挑戦している。
　1991（平成3）年、山口ふるさと伝承総合センターの開館に伴い工房を同センターに移した。以来、小中学生や一般客など年間約3千人に手作り体験を通して大内塗を普及してきた。「長年続けているので、外出中に以前教えた人から、声をかけられることもある」という。
　来年1月には、東京で展示会も予定。「小さい産地だからこそ、魅力をこれからも発信し続けないといけない」と意欲的だ。

1950（昭和25）年10月、竪小路生まれの65歳。明治学院大卒業後、父の冨田勲に師事し、冨田大内塗の3代目を継承。大内塗漆器組合には設立から携わり、現在は理事長を務める。2009（平成21）年、中国地方では数少ない漆器の伝統工芸士にも認定されている。