サンデー山口

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　100年以上の歴史を持つふるさとの銘菓「秋穂饅頭」の製造を引き継ぎ、今年1月から販売を開始。「ようやく慣れてきたかも」と無駄のない動きでヘラを返す。これまで製造していた老舗の田村秋月堂の店主が高齢のため昨年秋に閉店し、山口県央商工会が事業承継を打診。父親の経営する山世水産和菓子部門として「菓秋やませ」を開いた。
　白あんをふわりとした生地で包み、仕上げに秋穂の焼き印を押す優しい甘さと食感の秋穂饅頭は、「道の駅あいお」での販売のほか、個別注文も多く、毎朝8時頃から深夜に及ぶまで1日約1500個を一つ一つ手作業で焼くという。「秋穂饅頭を介して秋穂の食文化や伝統が発信できれば嬉しい。秋穂には菓子店が少ないので、もっと多くの種類のお菓子を作りたいし、再現したい味もある」と夢は膨らむ。好きな菓子は「おはぎ」。

1993（平成5）年6月秋穂二島生まれの24歳。高校卒業後、子どもの頃からの夢「和菓子屋」の実現に向けて日本菓子専門学校（東京）で学び、三隅松栄堂渋谷店へ就職。2016（平成28）年Uターンし、現在は実家が営む山世水産の和菓子部門担当。