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2003年01月16日

想うこと

 昨年の11月ウィーンに旅行した時、観光バスの中で、金髪の30代のアメリカ人女性と隣り合わせになった。しばらくすると彼女が私に「どこから来たの」と日本語で話しかけた。「山口県」と返事をしたら「私は”ふるさと山口キャラバン隊”で山口に行ったことがある」と言い、突然、「その時覚えた歌があります」と綺麗な声で歌い出した。「山口の女性は忙しい、男の2倍は働くよー」。私は、びっくり仰天。それから彼女にこの歌を教えた山口女性のセンスの良さに感激し、その同郷の女性の風貌を異国で想った。
 新年早々セーターとベストを買った。バーゲンセールのせいでもあるのだろうが、安い。2枚で3千円も払わなかった。2枚ともウール100%でデザインも着心地も申し分ない。中国製品。  安いことは、当面歓迎なのだが、この安さには、何か気味悪さを感じる。中国のどこか奥地で、このセーターを縫製した娘さんがいるはずだ。この値段なら娘さんに幾らの給金が払われたのだろうか。娘さんが、将来を夢みることができるだけの賃金なのだろうか。彼女の心に十分な希望を与えられるのだろうか。
 私達にとって3千円という金額は、時に食事とお茶で消費してしまう額だ。衣料工場は今や機械化されていて、娘さんの労働は女工哀史のように辛くないかもしれないが…。私達はなにか途方もない罪を犯しているような気がする。そんな想いを抱えながら、大事にセーターを着る。


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)おんなの目
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