2003年04月11日
春はどこから?
皆さんは春の到来を、どんなことで感じられますか?
桜の開花? 増していく風の暖かさ? それともわき上がる土の匂い、木々の芽の鮮やかな緑? それとも街を行く人たちのファッションかしら。綿入れを脱いだおばあちゃんの軽くなった背中?
私は春キャベツ。これをカシッカシッと音を立てて食べる時、春が来たのを感じます。包丁をスパッと入れると、春キャベツは球の内まで緑色で、冬のキャベツより巻きはゆるいのですが、その分、春の空気がいっぱい葉の間につまっています。青臭い匂いが立ち上がる。春キャベツを切る時、なぜかいつも少年少女を傷つけるような後ろめたさを覚えるのです。
ああ、忘れていました。キャベツを切る前に、必ず包丁を研ぎます。研ぎ石をしっかりと固定して、刃先を当てます。私は不器用ですから研ぎ方はメチャメチャですが、キュッキュッと音を立てているうちに刃は輝いてきます。春の光にかざすと名刀に見えてきます。小さな名刀。これで、春キャベツを切ります。気持ちいい音がして、切れそこねの連なりもなく、青い匂いをまき散らしながら跳ねるように切れていきます。
ガラスの器に山盛りにして、そのまま食べます。ゆっくりと間につまった春の空気も一緒に噛みます。葉は柔らかく、いっぱい水分を含んでいるので、噛めば噛むほど甘い汁が口の中に広がります。
春です。春は来たのです。
桜の開花? 増していく風の暖かさ? それともわき上がる土の匂い、木々の芽の鮮やかな緑? それとも街を行く人たちのファッションかしら。綿入れを脱いだおばあちゃんの軽くなった背中?
私は春キャベツ。これをカシッカシッと音を立てて食べる時、春が来たのを感じます。包丁をスパッと入れると、春キャベツは球の内まで緑色で、冬のキャベツより巻きはゆるいのですが、その分、春の空気がいっぱい葉の間につまっています。青臭い匂いが立ち上がる。春キャベツを切る時、なぜかいつも少年少女を傷つけるような後ろめたさを覚えるのです。
ああ、忘れていました。キャベツを切る前に、必ず包丁を研ぎます。研ぎ石をしっかりと固定して、刃先を当てます。私は不器用ですから研ぎ方はメチャメチャですが、キュッキュッと音を立てているうちに刃は輝いてきます。春の光にかざすと名刀に見えてきます。小さな名刀。これで、春キャベツを切ります。気持ちいい音がして、切れそこねの連なりもなく、青い匂いをまき散らしながら跳ねるように切れていきます。
ガラスの器に山盛りにして、そのまま食べます。ゆっくりと間につまった春の空気も一緒に噛みます。葉は柔らかく、いっぱい水分を含んでいるので、噛めば噛むほど甘い汁が口の中に広がります。
春です。春は来たのです。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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