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2003年07月10日

詩11



 青春時代の到来です。恋って何? 愛って何?

 君はかわいいと 安水稔和
君はかわいいと
どうしていっていけないわけがあろう。
ただ言葉は変にいこじで妬み深く
君とぼくとのなかを
心よからずおもいがちで
君とぼくのあいだを
ゆききしたがらない。
だから君
ちょっと耳を。
どうだろう
言葉にいっぱい
くわせてやっては。
かわいいという言葉を
君のかわいい口にほうりこみ
君のかわいい唇のうえから
しっかりと封印しよう
ぼくの唇で。
奴めきっと憤然と
君の口のなかで悶死するにちがいない。
言葉の死んだあとに
愛が残るとすれば。
だから君
どうだろうか

 可愛い詩なのでノートに書きとめておいたのです。その時、出典を記していませんでした。今、調べましたがわかりません。このように、いたるところで詩は一人歩きしています。時には、作家の名も忘れられてしまいます。詩のみがそれぞれの心の中にそれぞれの形で生き続けていくのです。

あかるい娘ら      中野重治
わたしの心は悲しいのに
ひろい運動場には白い線がひかれ
あかるい娘たちがとびはねている
私の心は悲しいのに
娘たちはみなふっくらと肥えて
手あしの色は
白くあるいはあわあわしい栗いろをしている
そのきゃしゃな踵なぞは
ちょうど鹿のよう

 中野重治は、1902年生まれ、没年は1979年。(集成・昭和の詩より)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)おんなの目
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