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2003年08月13日

誰に向かって?

 「ねぇ、あなたは、誰に向かって”おんなの目”を書いているの?」と友人が聞いた。「えっ!」。私にとっては、突拍子もない質問だったので、びっくりしていたら、重ねて彼女は言った。「随分と一人で楽しんでいるようね」と言った。 
 うーん、そういえば私
は誰に向かって書いているのだろう。もちろん、紙面の向こう側の、今、読んで下さっているあなたの顔を思い浮かべながらですが…、それは半分。残りの半分は、全知全能の神に、青い空の向こうに向けて、又は、地中深くのマントルへ向けて。そんな所へ向けて書いているのです。でも、本当を言えば、こうです。
 私の書くのを見て。ねぇ、私よ、私が書いているのよ、読んで!
 ねぇ、私を見て。私の首を見て。きれいでしょ。首飾りもよ。ダイヤなの。ダメ、見るのをやめてはダメ。ほら、ほら、手もきれいよ。胸も見て。不ぞろいの胸だけれど、この曲線、芸術的だと思うでしょ。ヒップも見て。脚も。この辺りに文学感じるでしょ。蚊に刺されて赤く膨れている所に普遍性感じるでしょ。私、私が書いているの。
 そうです。自己顕示の塊です。友人は素早くそれを感じ取り、「随分と一人で楽しんでいるのね」と言ったのです。さすが我が友よ!
 「原稿用紙の上は舞台で、読み手は観客です。観客が何を求めているのか、舞台で演じていてわからなければいけません。実がなければ、個人的なおしゃべりです」。これは、先の友人のとどめの言葉。
さすが我が友よ!


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)おんなの目
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