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2004年01月28日

遠い記憶

 私は、「かさぶた」をはぐのが大好きなんです。「かさぶた」ってご存知ですよね。できものや傷の上が乾いてできる皮。あれを、縁のほうから爪で丁寧に、破れないように、はぐのが好きなんです。ちょこっとずつ「かさぶた」をはがしていき、最後のまだ完全に乾いていない所に達する。ここが正念場、息をつめて、丁寧に、丁寧に。まだそこは傷が癒えていないので、ピリっと痛い。この痛がゆいのが好き! 眉をしかめてひっぱって、きれいな傷の形のまんまの「かさぶた」が取れると本当に嬉しい。きれいに取れた「かさぶた」を白い紙の上に置いて、しみじみと観賞する。裏返すと、さっき痛かった傷の一番深いところは、ジュクジュクして湿気ている。そこは他より厚い。よく見ると、厚さには断層がある。傷が治っていく過程が色の重なりで記録されている。褐色の表面から鈍い血の色へと変わっていっている。見ていると私は幸福になってくる。
 どうして好きなんだろうと考えてみると、獣を自分の手で調理して食べていた昔の記憶に繋がるのではないかと思えてきた。昔は、みんな自分の手で調理してきた。マンモスを倒した時は、大きな獲物なので、女子供も足の皮等をはいだに違いない。皮は、「かさぶた」と同じように、表面は乾いていて、中は、美味しい肉で湿っている。ジュクジュクと血も溢れる。「かさぶた」をはぐのは、どこかそれに似ている。「かさぶた」をはぎ、見つめる私の幸福感は、「もうすぐおいしいお肉が食べられる」という遠い記憶と繋がっている。


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)おんなの目
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