サンデー山口

　今朝、書くヒントを思いついた。メモもせずに、雑用を１時間くらいすませてから、いざ書こうと勇んで机についたら、そのアイデアが思い出せない！
　じっと頭を抱えて、止まってしまった脳を揺すってみたのだけれど、30分経っても思い出せない。それではと、朝からの行動をもう一度忠実にたどってみようと思った。もの忘れがひどくなった４、５年前からの私の記憶復活方法だ。なんとかなるかもしれない。
　起きて、服を着て…もちろん裸になってやってみる。どこにそれは、潜んでいるのかわからないから手抜きはできない。トイレに座り、「誰に教えられたか、親か教師か、つまらぬ倫理観にこだわっているから、突っ切ったものが書けないのだ」とＬ先生に言われたことを思い出していたのを思い出した。それから、茶の間で新聞を読んだ。新聞の中で何かヒントを得たのかもしれないと、再び広げてみる。”イスラエル軍・ヤシン師を殺害”。２度みても驚く。”ハマス、報復宣言”。嫌な風が私の身体の中を吹きぬける。テレビ欄を見て、新聞をたたんだ。次に側にあった「タテゴトアザラシ・カナダ東部の氷原の天使・保護と捕獲をめぐる議論」の写真集をめくった。そこで、真っ白のアザラシの赤ちゃんが密猟者に殺され血だらけになった写真を見た…。
　思い出した！　私は、命の循環を書こうとしていたのだ。ヤシン師とアザラシの赤ちゃんは死んでどこに行くのだろう。その命は循環するのではないかと思ったのだった。思い出したのはいいが、書けるかな？