サンデー山口

　今日は、私の59歳の誕生日だ。長かったなぁー。友人達は人生一瞬の出来事のように言うけれど、私は、長かったなぁー、と思う。特に40歳からは長かった。長かったのは、毎日が同じように動いていたからだ。繰り返しなのだ。誕生日の感想は、「もう、飽きた！」。
　朝起きて、顔を洗い食事をする。食事をしたら皿やフライパンを洗わねばならない。布団を上げる。時には干す。干していると天気も気になる。３日に１度洗濯をする。干す、取り込む、畳む。アイロンをかける。数種類にゴミを分別し、出す。トイレにも行く。トイレも掃除する。風呂は１週間お湯をかえないので、１週間に１回掃除する。入浴すればたまには身体を洗わねばならないし、時には洗髪もする。集金、電話…もう、飽きた！
　生活していく上で最低限必要なことなので、飽きても止めるわけにはいかない。その中で自由時間を捻出(ねん　しゅつ)する。時間は、30分位の細切れになるが、その自由時間に飛ぶのだ。
　旅行案内を寝転がって読むと世界の風が吹く。そして、旅行に出かける。本を読む。作家の熱い思いに頭を垂れる。そして、自分も書き始める。友人とおしゃべりする。すると、新しい知識も増える。
　「主婦という第二職業論（石垣綾子）」には、“女は職場を去って、つぎには主婦という第二の職業を得るのであるが、近代の女性は決してそこで満足はしていない”。そう誰もが家事に飽きているが、細切れの自由時間を繋ぎ合わせて、上手に使って少しでも満足いくように暮らしている。
　でも、やっぱり飽きたなぁー。