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2006年08月02日

所有とは

 今日の室内温度は28度。暑いけれど私は夏が好きなので、これくらいが丁度良い。木の床に寝転がると、背中からひんやりとしたものが上がってきて気持ちいい。冬の間は寒くって、冷たい床にそのまま寝ることなんてできなかったので、夏は幸せ。私は寝て漫画や雑誌を読みながらお菓子を食べるのが大好き。冬でも寝そべることができるソファーを買いたかったが、なんとか物は持たない、という考えを貫くことができた。バンザーイ。
 “所有とは、意識の緊張を強いるものなのだ。その意識の緊張が自我の起源であり、内面の、個の、起源なのだ。律令制が崩れて土地の集積が始まってからずっと、日本人はそのシステムの中にいた。持たざるものさえも例えば地主になる可能性を持つという点では、所有という意識から逃れられない。(略)人は所有によって内面の苦悩を抱えるときにはその内面の苦悩を救うために出家までして、既に獲得してしまった内面を守ろうとする”床に転がって「羽田発小樽着、苦の内の自由」(笙野頼子著)を読んだ。難解だったが“所有は意識の緊張を強いる”というのは理解できた。俗人の私は着られなくなった服でさえ、虫や日焼けから守ろうとし頭を悩まし、必要でない物を買い置き場に苦労する。物が増えるとその管理に意識が緊張し膨れ弾ける。弾ける前に出家してなにもかも捨て、内面の崩壊を守らなければならない。ソファーを買えばやがて私は尼となり(なれない!)…大の字に寝そべって一筋の緊張もない夏を過ごしている。


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)おんなの目
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