サンデー山口

　近頃、私の身体から音がするのです。
　首を傾けると、コクッ。穴の空いた細いマカロニを一本折ったような軽い音。大きく息を吸い込むと鼻が、ヒュン、ヒュン。どこかで小さなネズミが鳴いているような音。背伸びすると背骨が、ギュギュと鳴ります。ゴム人形を踏んづけたような気持ち悪い音です。腕を回すと、回転にあわせてリズミカルに、カク、カク、カク。幼稚園のカスタネットの音。膝を曲げると、ギガ、とひと音だけします。ブリキのロボットの膝のようです。指の関節は、ポキ、ポキとなり、煎餅を割る音に似ています。
　音とは、神の「音ない（音を立てること。訪れ）」であり、音によって示される神意、神のお告げである、という下りを本で読んだことを思い出したが…本当かどうか自信がないが…記憶にはある。
　私の身体全身に神様のお告げが降りているのだろうか。そんな…でも私にはそのお告げを理解する能力がない。霊感がない。賑やかに喧しいほど音がするのだから、神様は私に何かお告げになっているのだ。もったいないことであるが、わからない。恐れ多くも神様のお告げを推察申し上げれば、君の身体は老化しているが、まあ、がんばりたまえ、ということだろう。