サンデー山口

　（１）Ｃ型肝炎ウイルス検査をお受けください」という新聞折り込みの政府広報。私はフィブリノゲン製剤の投与を受けてはいないが、山口県ではどの医療機関がフィブリノゲン製剤納入先だったのかと一覧表を見た。私は二人の子供をそれぞれ違う産院で出産した。その二つの産院が仲良く並んで納入先として記されていた。母子手帳を見たら、出血は中程度と記載されていた。ゴシックで“Ｃ型肝炎は、早期発見・早期治療が重要です”とある。今さらなにを、遅すぎるという感想だ。テレビで見た患者さん達の必死の顔が思い出された。
　（２）「あらゆる人生上の悩みは、すべて記憶をもつことに原因している」（旅の詩集・寺山修司編著）。読みながら叙情に浸っていたら、突然の訪問者が玄関先で「日本では８人に１人がうつ病です。レバノンにはクラスター爆弾の不発弾が１０万発近く残っています。チェルノブイリ原発事故から２０年。忘れてはなりません。記憶しなければなりません」と言った。事柄によっては忘れることが解決策であるが、記憶することから始まることがある。
　（３）雑誌の詩の投稿欄に恋愛詩がない。漠然とした不安のようなものばかりが、主題となっている。強烈な愛の詩はどこにいったのかしら？