サンデー山口

　

星の数ほどの植物。その一つひとつに複数の名前が付いているのをご存じですか。日本国内で使われる正式名称「標準和名」、地域や地方で用いられる「俗名」、また学術の世界で使われ、主にラテン語で記述される世界標準の「学名」、さらに「英名」、「独名」、「露名」、「仏名」など枚挙にいとまがありません。
　そんな植物名に注目してみると、とても長い名前、短い名前、おもしろい名前、変な名前、勘違いしそうな名前など、色々あって興味が尽きません。少し例を挙げると、とても長い名前として、アマモ科のアマモの俗名に「リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ」があります。なんと21文字もあります。逆に最も短い名前は、イグサ科の多年草「イ」です。字数・画数共に最短の和名です。他に、「スブタ」や「オニク」、昆虫フリークにはたまらない「ミヤマクワガタ」なんてのもあります。何気なく使っている植物名。植物図鑑の索引を調べたくなったでしょう。

県立山口博物館　学芸員　嶋村拓実