サンデー山口

　

日が沈み、辺りがだんだん暗くなってくると、鳥たちの声が聞こえなくなり、急に静かになります。突然、梢の暗がりから「グルル、グルル」という甲高い鳴き声が聞こえてきました。声の主はムササビです。
　山口市の市街地近くでも、森が続いているとムササビが生息しています。リス科の哺乳動物で、体長（頭の先から尾の先まで）は80?を超えるものもいます。尾は長く、40?近くもあります。日中は杉やケヤキなどの大木にできた巣である樹洞で休息し、辺りが暗くなり始めるころ活動を始めます。
　樹洞の入口を赤いセロハンをつけたライトで照らすと、大きな目が二つ反射して光ります。今か今かと待っていると、大きく身を乗り出し、一気に幹を上っていきました。
　当館では、12月6日（土）に「森を滑るムササビ」と題して、ムササビの観察会を実施。参加をお待ちしております。

県立山口博物館　動物担当学芸員　 田中　浩