サンデー山口

　

当館は1912（明治45）年に防長教育博物館として発足し、1917（大正6）年に県立に移管されました。今年で97年の歴史を有することになります。
　明治期の博物館は、産業奨励と深い関係があります。その典型は北海道の開拓使博物場（札幌と函館に設置された）で、現在も運営形態を変えながら存続しています。当館も設立当初、陶磁器・漆器・繊維製品・木製品の標本等、産業奨励のための資料を多数収集し、「実業教育参考品」と称していました。中には外国の製品や、完成品だけでなくその原材料・製造過程を紹介するセットのような資料もあったこと等、広範囲にわたる収集の成果がうかがえます。
　これらの資料は消耗品も多く、廃棄されたものも多数ありますが、陶磁器・漆器など一部の資料は現在も引き続き保管されています。

県立山口博物館学芸員 伊原 慎太郎