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2009年09月23日

残暑お見舞い

 9月も終わりだというのに、暑い日が続きますね。
残暑のそのまた残暑お見舞い申し上げます。皆さんに聞いてみたいのですが、あの暑かった真夏の日に、一瞬だけれど時が止まるのを見たことないですか? 私はあるのです。
 時間は、真夏の午後2時。太陽は中天。場所は、団地の南側。私は、団地のアスファルトの熱い道路を歩いている。誰もいない。
 突然、私の周囲の平屋や二階建ての家々が、黒いマジックで輪郭が縁取られたように、存在を濃くし、そして静止する。奥行きがなくなり、空に張り付く。木の葉は裏返り止まる。道は白く乾いて、窓ガラスは、何も映さない。見慣れた団地の一角が一枚の絵になる。なにもかもが息をしていない。時が止まっている。
 奇妙な空間の中で、私の身体も動かない。目の玉だけを左右に動かして、空に張り付いた家々を、金属のような感覚で見回している。誰もいない。なにも動かない。時が止まっている。
 犬が鳴く。道の北側から止まった絵がめくれていく。時が動き出す。こんにちは、と私は言ってみる。家々の輪郭が薄くなり、窓ガラスに小鳥が映り、猫と目が合う。匂いのある風が吹く。私は大きく息をする。
 皆さん、真夏のある日、時が止まる。こんな経験ありませんか?


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)おんなの目
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