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2010年10月15日

稜線

 早朝と夜間の気温が秋涼感を伴ってきた。
 落葉樹はいずれも落葉前に葉柄の基部に分離層ができ色素が形成されていわゆる紅葉現象が起きてくる。県立美術館前パークロードのケヤキ並木も葉色に季節感が重なってきた。この落葉樹は北海道以外の列島各地山林に自生し、街路樹や庭園にも利用されている。ホウキを逆にしたような樹形が特徴的で、秋にできる小さい木の実は小枝ごと季節風に飛散される。ケヤキの大木には数千万の葉が着いていて、地面に敷きつめ
ると300坪くらいにもなるという。材質は固く建具や建築材に利用され、水戸偕楽園の入り口には胴部に「震天動地」と書かれたケヤキの陣太鼓がある。水戸学派が幕末の志士を鼓舞した証しといわれている。
 ともあれケヤキは建材から庭園木に至り最近とくに注目されたのは光化学スモッグに敏感で、季節はずれの落葉を見せるからである。すぐそばに汚染源がなくても対流作用で降りてくる大気汚染の影響を受けると葉部に特徴的な斑点をつけて落葉する。つまりケヤキによって樹形や落葉状況などに関する環境保全診断ができるから。
 イチョウ並木の駅通りから美術館前のパークロードへと山口は秋色の鼓動がはじまる。(F)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)稜線
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