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2010年10月15日

撃ってはなりません

 「第64回山口県美術展覧会」を観に行きました。入口のすぐ右側に“protect~存在の行方~”と題されたインスタレーション(立体作品を壁や床に設置して空間を意識的に表現する方法。またはその作品)がありました。
 私は、中の2体の兵士の、今や敵を撃とうとしている瞬間の肢体に目が止まりました。1体の兵士は腰を低くして太い足を一歩前に出しバランスを保ち機関銃を構えている。その呼吸を溜めた腰の辺りに艶やかなものを感じました。もう1対の兵士は、肩に機関銃を構え首をその銃にピタリと当てている。その首の傾げた角度に美を感じたのです。人と人が争い生活が破壊される戦いは嫌いです。が、そこにも美は宿っていたのです。2体を見ながら俳句を思い出しました。昭和20年8月9日長崎の原爆で家族を亡くされた松尾あつゆき氏の作です。
すべなし地に置けば子にむらがる蝿(みずから木を組みて3児を焼く)
風、子らに火をつけて、たばこ一本
枕元子を骨にしてあはれ乳がはる
あさぎり、兄弟よりそうた形の骨で
(子の母も死す。36歳)
くりかえし米の配給のことをこれが遺言か
降伏のみことのり、妻をやく火いまぞ熾りつ
 美しい兵士よ、撃ってはなりません。


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)おんなの目
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