サンデー山口

　台北５日間。台北を選んだのは近い、安価、という理由だ。中心地のホテルに連泊し、その日の体調まかせの旅。語学力ゼロ。あるのは５人の団結力…。
　ホテルの従業員はすべて日本語が堪能。街の風景も看板が漢字で書かれているので私達でも理解でき、ゆっくり自由に歩けた。山口からちょっと離れた都会、広島に来ているみたい、と私は思った。食事もよさそうな店にふらりと入って食べた。料理は５人前では多すぎるが、饅頭は一人一つ欲しい。紙に「我等小食３人前」・「我等欲５個」と書けばその通り出てきた。本当です！　なんの問題もない。本当。
　問題があったのは故宮博物院を見学した時だ。ホテルからタクシー２台に分かれて乗った。「故宮」と書いた紙を運転手さんに見せた。故宮に着いたが入口に先発の仲間がいない。１５分待ったがこない。これは変だ！　どこかに連れて行かれたか？しかし高齢の者がなんの役に立つだろうか。お金だって大金はホテルの金庫の中なんだから。結論は、故宮には二つの入り口があったということ。別々の入り口で降ろされたのだ。じきに会えて笑い転げた。
　８６歳のＡさんはこれを最後に海外旅行から引退すると言うが、私は、車椅子で行くことを企んでいる。海外旅行の形も変わっていく。