サンデー山口

　皆様にはお健やかに新年をお迎えになられたこととお慶び申しあげます。
　お節を前にくつろいでいらっしゃることでしょう。私は料理が苦手ですから、黒豆も昆布巻きも上手にできません。料理の得意な友人が毎年私に作ってくれます。私はただ重箱に並べるだけです。幸せ者です。
　今年は一つだけ作りました。森茉莉著の“貧乏サヴァラン”に「正月の錦たまご」の作り方が本当に美味しそうに書いてあったのです。彼女は料理は大得意で黒豆も仕上げに水あめを薄めて入れて照りを出す、などということもしているのです。皆様には常識かしら…私は知りませんでした。
　錦たまごの作り方は、卵をゆでて白身と黄身とにわけて裏ごしにし、砂糖少しと塩ひとつまみで味をつけ、大きな弁当箱に白身と黄身を互いちがいに四段に平らにならして、ご飯蒸しで蒸し、ぽんと皿に出して切る。私にもできました！　菜の花が咲いたような晴れやかな一品。
　料理にはいわれがあります。黒豆の黒には魔除けの力があり、まめ（健康）に暮らせる。昆布巻きは、よろこぶの語呂合わせ。紅白のなますは、お祝いの水引をかたどったもの。お多福豆を噛みながら、皆様の福が多からんことをお祈りしております。今年も宜しくお願いいたします。