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店長情報

2011年04月27日

もっと深く、もっと大きく

 デパートの中を歩いていたら「お客様、その右頬の黒ずみは取れますよ」と声をかけられた。一瞬なんのことかわからなかった。重そうなマスカラをつけた化粧品販売員が私を見つめている。笑顔で。ああ、シミか、と了解。
 私の顔の中で一番彼女の目についたのがシミなのだ。知的な光りをおびた(?)目でなく、花びらのようなふっくらとした(?)唇でもなく、世の荒波を越えてきた深い魅力的な皺でもなく、数個の鉛筆の芯で押したような黒いシミなのである。
 3月5日、新聞で見た“アルベルト・グラナド”氏の死亡記事の写真を思い出した(彼はチェ・ゲバラの友人でキューバで88歳で老衰のため死去した)。写真は魅力的であった。髭も髪も真っ白。もちろん深い皺もある。シミは数えきれない。キッスしたいほどそのシミはステキだった。優しい威厳がある。もし、彼がデパートを歩いていても美容部員に、お客様シミが取れますよ、なんて声は絶対かけられない。彼はデパートなんて決して行かないけれどね。
 私には威厳がない。シミが魅力的に見えないのだ。これではいけない。きっとシミの大きさが不足しているのだ。皺の深さも不十分。明日からはもっと魅力的な顔になるために勉学に励もう。


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)おんなの目
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