2012年09月26日
好きになって
我が家の近くの道路に一本の草が生えています。
8月の中頃、車道と歩道の間のアスファルトを破って、海にいるヒトデの形で生えているのに気づいたのです。その頃は全体で15センチくらいでしたが、段々と大きくなり、9月初旬には、ヒトデの腕にあたるところが30センチにも伸びていました。茎は私の親指より太く、堅く、隆々たるものでした。
色は根元10センチは白、それから明るい緑、段々と濃い緑色へと変わり、先端の葉は青みがかった深い緑色。
私はそれに触ってみました。ムッとする青臭い太陽の匂いがして、命が脈打っています。圧倒される存在感。大好きになり、そこを通るたびに、「元気?」と声をかけていました。
それが今では、秋風に吹かれて、徐々に萎んでいっています。生気がなくなっていきます。葉の先も黄色くなって、太かった茎も皺が寄ったようになり、もう私の小指くらいしかありません。しかし、凛とした佇まいは変わりません。私は草を撫でながら「子孫は残しているのでしょ。このアスファルトの下に隠しているの。来年も見事な君の一族に会えるかしら?」と聞きました。
暑かった夏の間、名前も知らない草に魅せられっぱなしでした。人の一生を見た気がしました。
8月の中頃、車道と歩道の間のアスファルトを破って、海にいるヒトデの形で生えているのに気づいたのです。その頃は全体で15センチくらいでしたが、段々と大きくなり、9月初旬には、ヒトデの腕にあたるところが30センチにも伸びていました。茎は私の親指より太く、堅く、隆々たるものでした。
色は根元10センチは白、それから明るい緑、段々と濃い緑色へと変わり、先端の葉は青みがかった深い緑色。
私はそれに触ってみました。ムッとする青臭い太陽の匂いがして、命が脈打っています。圧倒される存在感。大好きになり、そこを通るたびに、「元気?」と声をかけていました。
それが今では、秋風に吹かれて、徐々に萎んでいっています。生気がなくなっていきます。葉の先も黄色くなって、太かった茎も皺が寄ったようになり、もう私の小指くらいしかありません。しかし、凛とした佇まいは変わりません。私は草を撫でながら「子孫は残しているのでしょ。このアスファルトの下に隠しているの。来年も見事な君の一族に会えるかしら?」と聞きました。
暑かった夏の間、名前も知らない草に魅せられっぱなしでした。人の一生を見た気がしました。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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