2013年01月30日
どんどん進め
新山口駅から山陽本線に乗って下関まで行った。平日の昼下がり、車内は空いていた。
A駅についた時、真っ白いコートの20代後半の女性が乗ってきた。すぐにドアの外に向かって手を振る。ホームに同じ年頃の男性がいる。男性も微笑みながら手を振っている。恋人だろうか? 列車が動き出した。女性は首を伸ばしていつまでも手を振っていた。
女性が私の前の席に座った。目が赤い。別れが辛くて泣いたのだ。白いイヤリングが揺れて、なんて可愛いんだろう。私はチラリチラリと盗み見した。
女性が茶色のバッグを開けて、大きなドーナツを取り出し、音を立ててビニール袋を破り、かぶりついた。唇の周りに砂糖がくっついている。あっという間に食べ終え、ペットボトルのオレンジジュースを、顔を仰向かせ、喉を景気よく上下させ飲み干した。手の甲で口を拭く。
次は、バッグの中からコンパクトを取り出し化粧を始めた。ファンデーションを塗りなおし、目の周りを描き、ピンクの口紅を塗った。先ほどの哀しい顔はもうない。お見事!
女性よ、その調子で元気に進め。何事も乗り越え、沢山子を産んで育て、日本を救え。あなたなら出来る。
女性はもう眠り始めている。満ち足りた顔をして。
A駅についた時、真っ白いコートの20代後半の女性が乗ってきた。すぐにドアの外に向かって手を振る。ホームに同じ年頃の男性がいる。男性も微笑みながら手を振っている。恋人だろうか? 列車が動き出した。女性は首を伸ばしていつまでも手を振っていた。
女性が私の前の席に座った。目が赤い。別れが辛くて泣いたのだ。白いイヤリングが揺れて、なんて可愛いんだろう。私はチラリチラリと盗み見した。
女性が茶色のバッグを開けて、大きなドーナツを取り出し、音を立ててビニール袋を破り、かぶりついた。唇の周りに砂糖がくっついている。あっという間に食べ終え、ペットボトルのオレンジジュースを、顔を仰向かせ、喉を景気よく上下させ飲み干した。手の甲で口を拭く。
次は、バッグの中からコンパクトを取り出し化粧を始めた。ファンデーションを塗りなおし、目の周りを描き、ピンクの口紅を塗った。先ほどの哀しい顔はもうない。お見事!
女性よ、その調子で元気に進め。何事も乗り越え、沢山子を産んで育て、日本を救え。あなたなら出来る。
女性はもう眠り始めている。満ち足りた顔をして。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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