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2013年02月20日

正子さんの手紙

 F市に住む正子さんから春を待つ手紙を貰った。
 正子さんは、長年の詩友で、80歳。果樹園を営む、愚痴を言わない辛抱強い人である。毎年、彼女の育てた美味しい桃を私はいただく。
 正子さんは、ある日突然、右足が鋭く痛みだし歩けなくなった。歩行どころか、立っても座っても、寝ても痛い。辛抱人の正子さんも、耐えられず整形外科病院に駆け込んだ。診察の後、神経痛と診断された。「これは、長引くなあ、薬を出しておくから」と言われた。正子さんは訴えた。「先生、痛くて痛くて堪らないのです」。「痛いのは仕方ない」と先生はおっしゃった。
 ここで、正子さんは、少し怒る。
 “痛みを止めて欲しい。がまんの限界を超えたから、医者に懇願したのだ。私の足の痛みはこれまで一心に働いてきた勲章でもある。もっと、気持ちをこめて、私の足の痛みに対して欲しかった…傲慢かしら? 老婆のたわごとです。暖かくなったら痛みもなくなるでしょう。春が待ち遠しいです”。
 正子さんは、5人の子供を育てた。海外へ企業戦士として赴任している子もいる。震災の東北でボランティア活動をしている者もいる。日本の為、世界の為、人類の為に活動している。源は正子さんだ。正子さんの足に敬意を払わねばならない。
 それにしても、春が待ち遠しい。


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)おんなの目
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