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2013年05月22日

今日も晴れ1

 デパートの洗面台で手を洗っていたら、若い女性が私と並んで手を洗い出した。顔を上げたら、ピカピカに磨かれた鏡に女性と一緒に映った。
 彼女は背が高かった。1メートル63センチの私より頭一つ高い。彼女は、鏡に向かって軽くポーズをとるとピーンと背筋を伸ばし、胸を張って、お尻をキュッキュッと振りながら歩き去った。
 呆然とした。あんなに背が高いのに、堂々と背を伸ばして歩いている。美しかった。ああ、私も背を伸ばして歩けばよかった。
 私は中学三年生で1メートル60センチあった。今では普通だろうが、昭和30年代では大女だ。あの頃の男子は粗野で乱暴な子が多かった。肉体の欠点をズバリ言い当てた。私には猪八戒というあだ名をつけた。三蔵法師のお供をする黒豚の妖怪。私の鼻は上を向いている。彼らの観察眼は鋭い。
 乙女心は傷ついた。鼻をつまんで高くなれ、と念じたり、背が高いから生意気に見られるんだ、と健気にも背を丸めて小さく可憐に見えるようにした。その結果、七十歳になった今、背が丸まってしまって、先日なんか、八十歳に見られた。
 ああ、この若い女性のように堂々と背を伸ばして歩けばよかった。
“だから言ったじゃないの、男なんか、男なんか” 松山恵子も歌っているじゃないか。ああ、後悔する。


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)おんなの目
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