サンデー山口

　

山口県の北東、阿武町福田上にある標高640・7メートルの山は伊良尾山と呼ばれています。約30万年前に噴火した火山です。
06（平18）年に萩市と阿武町の境界付近で20メートルを超える厚い火山灰の地層が発見されましたが、この火山灰は伊良尾山の噴火の跡だったのです（現在は伊良尾山火山灰層展示施設として公開中）。
　噴火の際に流れ出た溶岩は、その当時の川（現在の田万川とほぼ同じ）を下り、15キロも先の萩市小川地域まで流れ下っていきました。萩市弥富にある畳ヶ 淵の美しい六角形の石畳や、萩市上小川の龍鱗郷にある何本も立ち並ぶ六角形の石柱は、実はこの伊良尾山の溶岩であり、伊良尾山の噴火の証なのです。なお、 伊良尾山は山口県北東部に分布する活火山である阿武火山群の一つです。
　山口博物館では、9日（日）の地質めぐりの行事で伊良尾山火山灰層展示施設をたずね、露頭の観察会を行います。
県立山口博物館　地学担当学芸員　亀谷　敦