サンデー山口

　チェリャビンスク隕石とは、今年の2月15日、地球大気圏に突入した小惑星が、ロシアのチェリャビンスク州の上空で複数の破片に分裂して落下した隕石のことです。
　当時、チェリャビンスクの街では強い閃光を放つ火球が目撃され、直後に届いた衝撃波によって、4千棟以上の建物の窓ガラスや壁が崩れ、約1500人が割れたガラスなどで負傷するという自然災害が発生しました。これほど大きな人的被害が出たのは、これまでにないことでした。
　チェリャビンスク隕石は、山口市に1897（明30）年に落下した仁保隕石と同じ石質隕石です。また、チェリャビンスク隕石は表面が黒色をしています。これは落下の際の熱で隕石の表面がとけたもので、「溶融被膜」と呼ばれています。
　博物館では、今回スポット展示として日本スペースガード協会が現地調査を行い、収集したチェリャビンスク隕石の実物を12月15日（日）まで展示しています。
県立山口博物館 天文担当学芸員 山下　朱美