サンデー山口

　今年6月、山口市仁保の椹野川上流部において、魚類調査中の水産研究センターの畑間俊弘氏らにより、カワネズミが発見されました。カワネズミは、ネズミの仲間ではなく、モグラの仲間である食虫目に属します。体重は約35グラム、鼻先から尾の付け根までの頭胴長は約12センチ、尾の長さは約8・5センチです。体には、水中生活をするための秘密がいろいろと隠されています。体表をおおった毛には、気泡が閉じ込められ、空気の層ができて皮膚に水が浸入するのを防いでいます。泳ぐときは、手足の指を広げて泳ぎますが、指には2ミリほどの毛が生え、毛が水かきの役割をしています。
　カワネズミが主に生活しているのは、河川の上流部になる渓流です。水中に潜って小魚を捕えたり、サワガニや水生昆虫を食べて生活しています。警戒心が強いためその姿を見ることはめったにありません。山口県内の生息状況はほとんどわかっていません。カワネズミを見つけたら博物館に連絡してください。
県立山口博物館 動物担当学芸員 田中　浩