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2014年05月16日

稜線

 夏の始まりを暦の立夏(5月5日)とするならば日本には3回に分けられる夏がある。
 第1の夏は5月の初夏で日差しは強いが日中の気温は22~24度ぐらい。少し汗ばむ日はあってもつづかない。さわやかな大気の中でヤマブキ、ライラックなど初夏の花が咲く。ヨーロッパのサマーも新緑が目立つだけで日本の第1の夏と同様の気候ときく。
 第2の夏は梅雨なのだ。1年のうちでもっとも長い時季というのに、太陽は低くたれこめた雲にさえぎられている。6月の日照時間は137時間程度といわれ、1年中でも短い12月の約171時間よりも少ない。
 第3の夏は梅雨があけた後の7月中頃から8月の盛夏期となる。一般的に夏と呼んでいるのはこの期間で入道雲の湧く青空に陽光は輝き、熱気につつまれた林間のみどりは日に日に濃くなり、熱帯性を想う炎天下の気象がつづく。
 第1の夏を温順な自然とすれば、第3の夏は雑草や虫類にまで生命力の及ぶ自然となる。
 夏の訪れ、セミとホタルにアユが山口の初夏をいろどる。往年の山口に来た外国人教授がセミの声を聞き、「あの鳴き声はどんな鳥か」と聞いたという話もある。
 広葉樹林にめぐまれた山々から夏が訪れる。(F)


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)稜線
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