サンデー山口

　9月1日は井上馨の命日。今年は、没後100年であることから、同日午前に生家跡の井上公園で「井上馨侯没後100周年記念祭」が、午後に井上馨の分墓のある洞春寺で「井上馨侯100回忌」法要が、夜には「名付け親」である市菜香亭で「偲ぶ会」が催された。
　これらの会には、馨の玄孫である井上光順さんも、東京から駆けつけた。井上馨については、明治期における政商との悪いイメージを持たれることも多く「子孫としては、正当に評価してほしい」との願いを持たれているそうだ。
　昨年は、井上馨が袖解橋付近で襲撃されてから150年目の年だった。同年の本紙には、郷土史家・松前了嗣さんによる「不撓不屈　井上馨」を1月から5月まで連載。そこでは、1835（天保6）年の生誕から、1867（慶応3）年の盟友・高杉晋作の死までが描かれた。それ以降の明治維新後は、政界と実業界で活躍。中央で本日の日本の礎を築いた。
　彼の別荘があった静岡市清水区では「『郷土の偉人』である井上馨侯爵を誇りに感じ、魅力発信と地域活性化につなげよう」と「井上馨侯爵を顕彰する会」がある。生誕地・山口市でもそれ以上に、あらためて井上馨を顕彰していければと思う。（Ｋ）