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2015年10月28日

 市内の本屋には、山口県関係の本が置かれた郷土の本コーナーがある。そこに歴史ある「文芸山口」と並んで1982年創刊の「風響樹」がある。
 同人誌「風響樹」を牽引してきた一人が朝比奈敦氏(本名・矢野栄一郎)。
朝比奈氏は病により、10月22日に亡くなられた。死は、大木をねじ切るように強引に彼を連れ去ってしまった。享年69歳。
 都会的な乾いた抒情の作品から、現代を見据え今を捉えた作品など、私は魅了され続けてきた。彼は休むことなく書き続けた。今からも書きたい、書くべき種が幾つも芽吹いていたはずだ。彼は、作家だ。 
 山口県芸術文化振興奨励賞受賞、「国境」が文学界同人雑誌優秀作、神戸ナビール文学賞等々数々の受賞がある。彼は、郷土の宝なのだ。
 通夜の席で読経を聴いていた。それは異国の言葉のようであった。時折「アーミィ、アーミィ」と聴こえる。army? 陸軍? そんなことはあるまい。陸軍…兵士の集団。朝比奈氏は、言葉を探し捕らえる者、時代の中に果敢に飛び込み、言葉を武器に戦う兵士。心優しい兵士。身体には熱を帯びた血が流れていた。その熱気に私はあてられ鼓舞されてきた。その熱気は決して冷めることなく、私を支え続けてくれるだろう…けれど、とても寂しい。


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)おんなの目
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