サンデー山口

実際の紙面はコチラ（公開期間は発行から1カ月間です）

　毎月旅行冊子が送られてくる。数度利用した旅行会社からのものだ。ここ数年ご無沙汰なのに律儀に送って来る。
　南国のどこまでも続く白い砂浜、山上の孤高の城と崩れた城壁、市場の色鮮やかな野菜、青い出窓の赤い花、湖に映る木々の静かな佇まい等々。　
　非日常を！　あなたが旅の主人公、妖怪もいますよ、神秘の体験をあなたに等々、想像力が膨れる言葉、興味引く写真が沢山掲載されている。
　幾つかの国には友人達と行った。旅行冊子を送って来る会社の催すツアーの中に入って行った。妖怪には会えなかったし、神秘的体験もなかったけれど、北欧の古い城ではそれらしき雰囲気はあった。しっかりと霊界、異界が感じられなかったのは、エジプトに行ってないからだと思う。
　川　　　　多田智満子
過去・現在・未来を／つらぬく棒の如き川／／世界でたった一すじの川／断言命令のように／世界を真二つに分ける川／東岸を生者に／西岸を死者に／公平に頒ち与えて／／―本機ただ今着陸の態勢に入りました／着陸は東岸？／それとも西岸？／―とりあえずベルトをしっかりお締め下さい
　私、西岸で降ります。行ったことがないので西岸の死者にご挨拶。死んだらどこへ？　教えてもらわねばなりません。それから東岸へ。