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2018年06月27日

こんにちは! 椎葉村 3

実際の紙面はコチラ(公開期間は発行から1カ月間です)

 「荷台に乗ってね」。私達は「おー」という喜びの声を上げ、よいこらしょ、と乗り込む。小雨が降っていたので傘を差して荷台に座る。小学生の時の引っ越しで軽トラの荷台に乗ったあれ以来だ。懐かしい。クネクネと山を登ること二十分。時折木々の枝が傘に当たる。これぞ秘境! 「民宿 焼き畑」には、築百年の母屋と築数年の新館がある。新館は伝統的焼畑農業を守り続けて来たクニ子さんの隠居部屋と客室。私達は新館に宿泊。着くとすぐに94歳になるクニ子さんが「婆ちゃんの部屋においで」と呼びに来た。部屋には大型テレビやビデオがあり彼女が出演、講演したビデオテープが沢山並ぶ。「婆は全部使える」と言う。トイレも風呂も近代的。秘境ではない。
 秘境とは何か? 人に知られていない所。秘境に生活している人達は、情報に接していなくて、風呂も谷川の水を汲み薪で焚く。昭和二十年代の懐かしいあの私の子供時代の郷愁に浸れる所…クニ子さんの長男に「もっと秘境かと思った」と言ったら「これで十分秘境だ」と笑った。私の秘境を押し付けてはここで生活する人達はたまったものではない。私は勝手すぎる。
 山の幸を集めた食事は美味しかった。クニ子さんはヤマメを囲炉裏端で焼く係。暗く深い山の夜が更けていく。遠い昔と同じように。


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)おんなの目
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