2018年08月29日
間
実際の紙面はコチラ(公開期間は発行から1カ月間です)
『間』(ま)ということをふと考える時がある。『間』とは? 辞書によると時間のへだたり。空間のへだたり。
帰宅した時、留守電にメッセージが吹き込まれていた。再生すると一時間前の知人の声だ。一時間のあいだ声はここでじっと待機していた。一時間の『間』。現在との時間のへだたり。
一時間前と今では私の心境は違っているかもしれない。一時間前の直接の電話での会話の返答と、今聞いた留守電の返答とは異なっているかもしれない。一時間の間に私は幾度呼吸し身体に血を巡らせただろうか。
“いずれにせよあのカーテンの裾と床のあいだにあったあの幅”。
作者を忘れてしまったが、「カーテン」という詩の中の一行だ。『間』とは、カーテンの裾と床のあいだにあるあの幅。空間のへだたり。
待ち合わせ場所をお互いに間違えて、姫路駅の表と裏で三時間待ったことがあった。三時間の間にお互いに何を考えていたか。ただ右往左往していただけではない。過去のことを思い出していたし信頼を失いそうになった瞬間もあった。この空間のへだたった『間』がそれからの二人の関係に微妙な陰影をつけた。
携帯電話ですぐに簡単に繫がりあえるのは危険なことかもしれない。『間』は時間と空間の奥に広がるものを見せてくれる。
『間』(ま)ということをふと考える時がある。『間』とは? 辞書によると時間のへだたり。空間のへだたり。
帰宅した時、留守電にメッセージが吹き込まれていた。再生すると一時間前の知人の声だ。一時間のあいだ声はここでじっと待機していた。一時間の『間』。現在との時間のへだたり。
一時間前と今では私の心境は違っているかもしれない。一時間前の直接の電話での会話の返答と、今聞いた留守電の返答とは異なっているかもしれない。一時間の間に私は幾度呼吸し身体に血を巡らせただろうか。
“いずれにせよあのカーテンの裾と床のあいだにあったあの幅”。
作者を忘れてしまったが、「カーテン」という詩の中の一行だ。『間』とは、カーテンの裾と床のあいだにあるあの幅。空間のへだたり。
待ち合わせ場所をお互いに間違えて、姫路駅の表と裏で三時間待ったことがあった。三時間の間にお互いに何を考えていたか。ただ右往左往していただけではない。過去のことを思い出していたし信頼を失いそうになった瞬間もあった。この空間のへだたった『間』がそれからの二人の関係に微妙な陰影をつけた。
携帯電話ですぐに簡単に繫がりあえるのは危険なことかもしれない。『間』は時間と空間の奥に広がるものを見せてくれる。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
│おんなの目