アクセスカウンタ
QRコード
QRCODE
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 89人

店長情報 トップページ
店長情報

2000年01月01日

No.39「よあけ」

No.39「よあけ」

福音館書店
作・画:ユリー・シュルヴィッツ
 訳 :瀬田 貞二

 青のグラデーションではじまるこの絵本には、夜明け前の時の流れがゆっくりと描かれています。
 湖のほとりでキャンプしている老人と少年。さざ波がたち、鳥の鳴く声に夜明けの気配を感じ、目を覚まします。水をくみ、火を起こして朝食をすませると、湖にボートを浮かべ、こぎ出します。澪をひきながら進むボートが湖の中程まできた時、太陽がのぼり、一瞬のうちに山も湖も緑に染まります。
 この作品は、ポーランドで生まれ、アメリカに渡って絵を学んだシュルヴィッツが、中国の唐代の詩人、柳宗元の「漁翁」にヒントを得て作ったものです。
  漁翁      柳宗元
漁翁 夜 西巌に傍うて宿り
暁に清湘を汲んで楚竹を然く
煙銷え 日出でて 人を見ず
欸乃一声 山水緑なり
天際を回看して中流を下れば
巌上 無心に雲相逐う
(『中国名詩選㊦』岩波文庫)
 漢詩と重ね合わせながらページをめくっていくと、絵本の世界が一段と奥ゆきを増してきます。
 刻まれた時間の上で生活している私たちが忘れがちな、流れる時間の豊かさを思い出させてくれる絵本です。
(ぶどうの木代表・中村佳恵)


同じカテゴリー(えほんのとびら)の記事画像
No.194 「うみべのまちで」
No.193「ふしぎなたいこ」
No.192「なぞなぞあそびうた」
vol.191「ぞうのババール こどものころのおはなし」
vol.190「てんぷら ぴりぴり」
vol.189「はじまりの日」
同じカテゴリー(えほんのとびら)の記事
 No.194 「うみべのまちで」 (2019-06-12 00:00)
 No.193「ふしぎなたいこ」 (2019-05-08 00:00)
 No.192「なぞなぞあそびうた」 (2019-04-10 00:00)
 vol.191「ぞうのババール こどものころのおはなし」 (2019-03-13 00:00)
 vol.190「てんぷら ぴりぴり」 (2019-02-13 00:00)
 vol.189「はじまりの日」 (2019-01-16 00:00)
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)えほんのとびら
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。